ぼっち・ざ・ろっく! 12話

この歳になって、「XXロス」とか「XX難民」とかいう概念を理解することになるとは。寝て起きた後も全然余韻が抜けなくて、日曜は午後から発作的に下北沢に軽い聖地巡礼に行ったりしていた。

劇中に出てきた場所とかはなんも調べずに、ただ駅に降りてポケモンGOやりながら適当に巡回して帰ってきただけなんだけど。なので、例の公園とか壁とかは立ち寄らず。カレー屋と古着屋がたくさんあった。SHELTER前は人が多くてそのまま通過。例の自販機の前は、ぼざろ難民と思しき人たちが記念撮影してた。あと、関係ないけど謎解きのSCRAPのビルがあって「おっ」となったりしていた。

で、最終回、いきなり新曲からスタート。正直、文化祭ライブで新曲が来ると思ってなかった。原作だと、これより後の方でも「まだオリ曲が3曲しかない」みたいなセリフがあったり、アニメ10話でセトリ決めてる時に「持ち時間的に3曲」「2曲目でギターソロ」というやりとりがあったりして、「青春コンプレックス」「あのバンド」「ギターと孤独と蒼い惑星」の3つが手持ちのオリ曲、って勝手に思い込んでて油断してた。 で、OPであからさまにぼっちと他3人を区別して描かれてた「青春コンプレックス」の4人演奏版を文化祭のクライマックスに持ってくるのかなあ、みたいなぬるい心構えだった。

一方で、公式サイトのCD紹介ページは、放映中は未公開曲が全部「???」になってて、作中で放映されると曲名が公開になっていくという仕掛けになってたんだけど、12話放送前だと、4、6、9、11-14の計7局が「???」の状態で、1曲は多分ぼっち歌唱のED曲、11-14は既存曲のインストかバージョン違い、残り2曲は「ひとりぼっち東京」みたいな本編未採用の楽曲、みたいな構成なのかなー、と、これまたぬるい予想をしてた。

bocchi.rocks

そんなところに、こんないかにも1曲目な新曲をブッ込まれて、もういきなりテンションぶち上がり。

www.youtube.com

そして、2曲目の「星座になれたら」。あの機材トラブルからスライドギターのところが最終回のクライマックスに来るのかと思ったけど、かなり早い段階で突入。サビをワンコーラス聴かせた直後、一番開放感が来るところで弦が切れて、そこで実際にぼっちのギター音も消失。その後のパニック演出も、暗転して内面描写で盛り上げるみたいなことはやらず、でも演奏がが止まらずに続いているので、それだけでものすごい緊迫感。そして回り込むように撮る喜多ちゃんのアドリブから、例の大ネタ、ワンカップのビンでかますスライドで入ってくる音のカッコよさたるや。ここ最近の音楽体験の中でも最上位といっていいレベルだった。

www.youtube.com

もうここまでで大概鳥肌ものだったんだけど、この後、ブレイクのところで天を仰いでため息をつくシーンがなんかもう神がかりかっていうくらい見事で、リアタイでみてるときにはここで涙腺結界してガチで震えてた。

あんなすごいステージじゃないけど、僕も学生時代の文化祭ステージとか、もっと子供の頃のピアノの発表会とか、あとは大人になってからのでかいプレゼンの時とか、自分内のMAXテンションがピークアウトした一瞬にああなる感じ、わかる気がするんだよなー。ここまで、8話に代表されるぼっちの演奏シーンハイライトが「猫背のまま虎になる」を地でいく俯き姿勢を貫いてきてて、それを一気に解放するかのようなカタルシス。曲も歌詞もギターアレンジも素晴らしい。三井律郎さんすごすぎ。

www.lisani.jp

www.youtube.com

ずっとコブラツイストかけられたまま真顔でモノローグを入れる廣井もよかったなー。

ちなみに、BD円盤全巻もぽちってしまった。自分の中では完全に殿堂入りしたので、モノとして持っておきたかった。あと、CD音源に収録されてる「星座になれたら」は「弦が切れなかった版」の音源で、あのスライドギター版はBD特典としてついてくるみたいで、それも後押しだったかも。

そして、ラストシーン。まさかとは思ったけど本当に持ってきた「転がる岩、君に朝が降る」をBGMに、1話の導入と同じ構図で新しいギターを抱えて、バントとバイトが日常になった早朝の通学シーンで「きょうもバイトかぁ」で締め。2期はもちろん作って欲しいけど、もしメインの人たちのスケジュールが合わないとかだったら、このまま伝説として終わったままでもいいのかも、って思るくらいに美しかった。出したけど回収しきれなかった要素って、大槻ヨヨコくらいしかなさそうだし。まあ、もしメイン製作陣が再集結できても、ハードルは上がりまくってるし、作品としての完成度は遜色ないモノになったとしても、この熱量を再現するのは難しい気もする。でも見たい...。

あと、前回の記事で書いたぼっちの自室の見下ろし視点とか、僕みたいな素人でも「構図とかこだわりまくってんだろうな」みたいな感想が出てくるくらいなので、ガチ勢の人らからどう見えてるんだろう、と思って調べてみたら、やっぱとんでもない考察がわらわら出てきて、それを読んでまた見返して、とやってると時間がいくらあっても足りない。

この辺とか読んでます。ガチ勢すごすぎ。

togetter.com

togetter.com

なんかこういう感覚は過去に経験したことがあるなー、と思ったけど、あれだ。劇パト2の METHODS だ。というわけで、本棚に並んでたのを引っ張り出してきて読み返してみたり。というか、結局通読したことはないんだよなー。

はー。来季もなんか1個くらいアニメ見てみようかな。