もう既にどこかで語り尽くされたことかもしれないが

何回かの都内のBOOKOFF巡回の結果、佐藤大輔の「レッドサンブラッククロス」の徳間文庫版1-7をゲット。めちゃめちゃ面白いんだけど、これ以降の中公新書版のが見つからない。というか、どうせその先は断絶してると分かってるのでイマイチ本気で探し回る気分になれない。ついでに、途中から大きさが変わるのも気分が盛り上がらない理由の1つ。だけど、いかんせんどっちの版でも全部揃わないんだからどうしようもないんだよねー。まったくもー。
で、「続刊が出ない」という本当に語り尽くされた愚痴はとりあえず今回はどうでもよくて、あ、ちなみに僕は他に佐藤大輔名義の本は「皇国の守護者」しか読んでなくて、ついでに「戦記モノ」ってのもこの2つくらいしかまともに読んだことはないんだけど、これらの作品に何回も出てくる「新任将校と下士官」の関係が、なんかSI業界におけるプライムSIerのぺーぺーSEと下請けソフトハウスのベテランさんの関係にそっくりな気がして仕方がない、という話。今の自分がどっちかと言われると何か微妙にどっちでもないんだけど、まあ二次請けの脱ぺーぺーくらいって感じのポジションだから、感情移入的には断然新任少尉って感じかなー。最先任の下士官というか鬼軍曹な感じの下請けのベテランさんに敬語で話しかけてもらいつつ、客前に出たときには、さすがに殺されるわけではないので失禁することはないものの、何となく「先頭に立たなければ」みたいな空気を勝手に感じて苦笑されつつドンキホーテな振る舞いをして後から落ち込んだりするようなそんな感じ。
ちょっと時機を逸したけど、2ヶ月くらい前の時期にIT系の本やWebページで出回るような「新人SEに薦める本」のヒューマンスキル/自己啓発系のやつよりはよっぽどよいのではなかろうか。って、俺はそういう自己啓発本の類を全然読んだことがないので全然当てにならない意見ではあるんだけど。でも、以前そういう矢面に立つことだけを期待されるようなポジションに一時的に据えられたとき、実際に仕事中に何回か「佐藤大輔の描く新任将校」と自分がオーバーラップするような感覚を味わったし、その印象を自分の挙動の指針にして、まあ何とかその場を乗り切るだけのココロの余裕みたいなのができたのも事実なんだよね。
ま、その前に、軍隊と重ね合わせて違和感のないIT業界ってのがそもそもダメなんちゃうん?という根本的なツッコミには答えられないんですけどね。何はともあれ、皇国の続きが出るといいな、と。