いくつか読書。
文学賞メッタ斬り!リターンズ」。今回は、対象にしている期間が短いので、あんまり「コレ読みたいなー」と思うようなのは無かったかな。どうでもいいけど、大森望の著者近影は田舎のおばちゃんにしか見えないね。あと、豊粼由美の批評はどうしても「毒舌ぶってる私に酔ってる」感がしてあんまり好きになれないなー。昔Numberで連載してたイロモノスポーツレポートは面白かったけど。なんていうか、イロモノゲテモノ3級品のもう明らかにダメだと分かりきってるモノをコキ下ろすっていう芸風はとても合ってると思うんだけど、今回のような書籍の批評、というか文学賞やその候補になるようなレベルの作品の微妙な優劣を分かりやすく説明・分析するとかいうのはイマイチ向いてないというか、ちょっとした好き嫌いに基づいて優劣決めてるような感じが前に出過ぎて、信頼感に欠ける気がする。まあ、相方の大森望がそういう点で抜群過ぎるので余計に目立つのかもしれない。この人は、つくづく「ああこの本読んでみよう」という気にさせるというか、「こういう観点・コンテキストで楽しめばいい」という評価の仕方をするのが大変すばらしいと思う。
「この人に話を聞きたい」。アニメ様・小黒祐一郎のインタビュー集。「あの作品の第何話のあのシーンがどうこう」みたいな細かい話が延々と繰り返される素敵な本。まあ、ある程度は事前に相手に合わせて調べてるんだろうけど、それにしても。インタビュー受ける側も特に驚いたりしてないので、アニメ界ってのはそういうもんなんだろうか。単にいちいちそんなリアクションを原稿に収録してないってだけかもしれないけど。ところで、書籍版の「アニメスタイル」3号ってもう出ないのかなあ。
佐藤明機「楽園通信社綺談」。旧版も持ってたけど買いなおし。というか、巻末に「ビブリオテークリブ」も復刊するとの告知が!うおおお!やっぱり旧版持ってる(Amazonのオークションで手に入れた)けど、買わせていただきますよ、ええ。せっかくなので、是非この路線でオリジナルの新作を!帯に「圧倒的な描写で贈る美少女+メカ+奇怪な建築群!」という煽りが入ってて、個人的には正直美少女は圧倒的とは言い難い気もするけど、残り2つは全く同意。あと、賛同者がどれだけいるか分からないけど、佐藤明機作品はなんとなく天野こずえARIAに雰囲気が似てると思う。というか、僕は最初AQUA/ARIA佐藤明機劣化版だと思って読んでたので。こっちはもうすっかり美少女が圧倒的というか、あからさまにキャラが前面に出た話ばっかりになっちゃったのでちょっと残念。空島から花火を見る話とか大好きだったんだけどなあ。