年1回くらいのペースで突然襲ってくる自分内教養ブームのまっただ中。というわけで、最近は立て続けに新書やノンフィクションを読み漁って何となく賢くなったような錯覚を味わっては片っ端から忘れていくという不毛な営みを繰り返しております。...。復習もかねてぱらぱらページをめくって何が書いてあったかを思い出しつつ、最近呼んだ新書を羅列。
板坂元「考える技術・書く技術」。抽象化して、型を見つけて法則化することが頭のトレーニングである、という序盤の主張がとてもわかりやすくて素晴らしい。カードや文章テクニックとかも、ちょっとピンと来ない部分はあるけど面白い。LifeHacksのレトロ版。
碧海純一「法と社会」。前半はほとんど法律と関係無いような話ばかり。特に言語と抽象化について馬鹿丁寧な説明がくどくど続く辺りが非常によかった。で、今気づいたけどこの抽象化がどうのこうのというのは上の「考える技術・書く技術」で書かれてることと本質的には同じだったりするんだよな。うーん。
岩田規久男「経済学を学ぶ」。これも、前半の「貨幣」とか「経済価値」みたいなもので森羅万象を抽象化して交換可能にしていくんだよー、というあたりの記述が...、って3冊続けて同じ感想になってしまったのはどうこうことだ。要するに、俺はこういうことをぐだぐだ説明してくれるような本が好きだと言うことなのか。
手嶋龍一・佐藤優「インテリジェンス 武器なき戦争」。生活レベルではまるで意識していない世界の現状ベースの話題が続くので、突き詰めれば「へー」で終わってしまうのが少し悲しい。手嶋さんは、何かある特定の言い回しを繰り返しすぎなのがたまに気にかかる。ラスプーチンとかミーシャとか。諜報機関とか国際外交の歴史やら存在意義やらそういう基礎知識をどっか別で仕入れておかないと100%は楽しめないのかも。
須田慎一郎「下流喰い」。何か典型的な新書を読んだような感じ。読んでるときは面白いんだけど、全体を通すと「へー」で終わるような。
友岡賛「会計の時代だ」。日本語のある種の極北のような文体が強烈。ただ、内容的には結構満足。序盤のクドいくらいの言葉の定義の連鎖が禅問答にならずにちゃんと理解できるようになってるのはちょっとすごい。
ダメな議論「飯田泰之」。読んでるときは「さーてこれで俺もこれからはダメ議論には勝てる気満点」な気分に浸れるんだけど、結局日常でそういうシーンに出くわしたときにこの内容とを瞬時に脳みそにロードして戦えるようにするためには、それなりに修行を積まないとダメなんだよなあ、というのが正直なところ。
ずいぶん長くなったな。というか、一気に書くから長くなるんだけど。